米雇用+2.9万人。利上げ後退でNASDAQ上昇
米労働統計局が10月2日に公表した9月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2.9万人増にとどまり、失業率は4.2%へ上昇しました。平均時給は前年比3.0%へ鈍化し、7・8月は合計6万人下方修正。10月FOMCの追加利上げ観測、米金利、日米株への波及を整理します。
一次情報
米労働統計局・Reuters照合の公式発表を確認する ↗
発表日時:2026年10月2日 08:30(米東部時間)/21:30(日本時間)
Reuters・米雇用統計の詳細を確認する ↗
発表日時:2026年10月2日 12:38(UTC)/21:38(日本時間)
Reuters・米株の市場反応を確認する ↗
発表日時:2026年10月2日(米国時間、更新記事)
主な対象
- S&P 500・NASDAQ
- Russell 2000・中小型株
- 不動産・REIT・住宅関連
- 大型テック・半導体
- 銀行・金融株
- 米国債・ドル円
- 日経225の半導体・成長株
- 日本の銀行・不動産・J-REIT
- 自動車・機械など輸出株
日本株・米国株への影響
日本株:弱い米雇用と追加利上げ観測の後退が米長期金利を抑えれば、日本の半導体、高PER成長株、不動産・J-REITには割引率低下を通じた追い風となり得ます。一方、米金利低下がドル安・円高へ波及すれば、自動車や機械など輸出株には円換算利益の逆風です。米景気減速が深まる場合は外需全般の需要懸念となり、日銀の追加利上げ観測が相対的に残れば銀行株と内需株の反応も分かれます。
米国株:雇用者数の予想下振れと賃金伸び率の鈍化は、10月FOMCでの追加利上げを急ぐ理由を弱め、NASDAQ、大型テック、不動産、住宅、中小型株など金利敏感資産を支えました。ただし雇用の弱さが企業売上や消費の減速へ広がれば、株価には利益見通しの下方修正リスクがあります。銀行には金利上昇期待の後退が利ざや面で逆風となる一方、急激な景気悪化や信用コスト増への懸念が和らぐかを見極める必要があります。
上昇要因になり得る経路
- 非農業部門雇用者数は前月比2.9万人増で、Reuters集計の市場予想9万人増を下回り、10月の追加利上げ観測が後退した
- 平均時給は前月比0.1%、前年比3.0%へ鈍化し、労働市場発の物価上昇圧力が弱まった
- ReutersによるとS&P 500は0.73%、NASDAQは1.19%、Russell 2000は0.9%上昇し、金利敏感株が買われた
下落要因になり得る経路
- 7月は2.1万人増から1万人減、8月は16.2万人増から13.3万人増へ修正され、2カ月合計で6万人下方修正された
- 失業率は4.1%から4.2%へ上昇し、長期失業者や経済的理由によるパート就業など労働市場の質には弱さが残る
- 雇用減速が消費や企業売上へ波及すれば、利上げ回避の好材料より景気・利益減速の悪材料が強まる可能性がある
読み違えを避ける注意点
- 9月の雇用者数はレーバーデーの暦や季節調整の影響を受けた可能性があり、2.9万人だけで急激な景気後退と断定できない
- 失業率は労働参加率が61.6%から61.8%へ上昇したことも押し上げ要因で、雇用者数とは異なる家計調査から算出される
- BLSは主要業種の雇用を概ね横ばいと評価しており、Reutersも広範な解雇急増は確認されていないと報じた
- 利上げ確率は先物市場の一時点の織り込みで、原油、関税、次回CPI・PCE、FRB高官発言で変化する
- 弱い雇用は金利低下には追い風でも、景気敏感株・消費関連株には利益下振れリスクとなるため、金利効果と業績効果を分けて見る
確認したい用語
本記事は公表資料を読み解くための情報提供であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。