日米、円の過小評価を問題視。介入警戒と日本株への波及

片山財務相とベッセント米財務長官は9月25日21時の電話会談で、日米首脳会談でも議論された円の過小評価が問題であるとの認識を再確認しました。実際の為替介入は決定・確認されていません。円相場、輸出・輸入企業、日米金利と株式への波及を整理します。

一次情報

財務省・Reuters照合の公式発表を確認する ↗
発表日時:2026年9月25日 21:00(日本時間、会談時刻)

財務省・片山財務大臣記者会見を確認する ↗
発表日時:2026年9月25日(日本時間)

Reuters・NY外為市場を確認する ↗
発表日時:2026年9月25日 19:38(UTC)/9月26日 04:38(日本時間)

Reuters・日米首脳会談の円安懸念を確認する ↗
発表日時:2026年9月25日 15:09(UTC)/9月26日 00:09(日本時間)

主な対象

  • ドル円・通貨先物
  • 日本国債・米国債
  • 自動車・機械・電機など輸出株
  • 小売・食品・航空・電力など輸入企業
  • 銀行・保険
  • S&P 500・NASDAQ
  • 大型テック・半導体
  • 日本の海外投資家・円キャリー取引

日本株・米国株への影響

日本株:日米当局が円の過小評価を問題として共有したことで、一方向の円安を前提にした取引には巻き戻しリスクが高まります。円高へ反転すれば、自動車、機械、電機など輸出企業の円換算利益には逆風となる一方、小売、食品、航空、電力など輸入コストの大きい企業には追い風です。銀行・保険には国内金利上昇が運用収益を支える余地がありますが、為替と債券の急変は保有資産の変動を大きくします。

米国株:円高・ドル安が進めば、ドル高による米多国籍企業の海外売上換算への逆風は和らぐ可能性があります。一方、円を調達して米国株や米国債を買う取引が巻き戻されれば、米国債利回りや大型テックなど高PER株の値動きが不安定になるおそれがあります。日米当局の協調は為替の一方向の動きを抑える材料ですが、米金利やFRB方針が変わらなければ効果は限定的になり得ます。

上昇要因になり得る経路

  • 財務省は9月25日21時の日米財務相電話会談で、円の過小評価が問題であるとの認識を再確認したと公表した
  • 日米財務相は金融市場について意見交換し、両国の連携をさらに強めることを確認した
  • 円高方向への修正は、輸入物価を通じて食品、小売、航空、電力などのコスト負担を和らげる可能性がある

下落要因になり得る経路

  • 円高が急速に進めば、自動車、機械、電機など海外売上の大きい企業の円換算利益と輸出採算を圧迫し得る
  • 円キャリー取引の巻き戻しは日本株だけでなく、米国株や米国債を含む世界のリスク資産の変動を増幅する可能性がある
  • 具体的な介入手段や条件が示されないまま警戒だけが高まると、短期筋の売買でドル円と株価が乱高下しやすい

読み違えを避ける注意点

  • 日米財務相会談は円の過小評価を問題として再確認したもので、協調介入や日本単独の円買い介入を決定したとの発表ではない
  • 片山財務相は9月25日の会見で、協調介入を含む具体的な手法への言及を避けている
  • 為替介入の有無は財務省が公表する外国為替平衡操作の実施状況で確認する必要があり、レートチェックや要人発言とは区別する
  • 輸出・輸入企業への影響は各社の為替前提、海外売上比率、調達通貨、価格転嫁、為替ヘッジで異なる
  • ドル円は日米金利差、FRB・日銀の政策、原油、地政学、投機ポジションでも動くため、当局発言だけで方向を断定できない

確認したい用語

本記事は公表資料を読み解くための情報提供であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。