カシュカリ総裁、物価高は原油以外にも。追加利上げ警戒
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は9月20日、インフレは原油だけでなくサービスなど米経済全般で高すぎると述べ、9月の0.25ポイント利上げを支持しました。景気と生産性の強さにも言及。米金利、大型テック、銀行、住宅、ドル円と日本株への波及を整理します。
一次情報
Reuters・Federal Reserve Board照合の公式発表を確認する ↗
発表日時:2026年9月20日 15:06(UTC)/9月21日 00:06(日本時間)
Federal Reserve Board・9月FOMC声明を確認する ↗
発表日時:2026年9月16日 14:00(米東部時間)/9月17日 03:00(日本時間)
Federal Reserve Board・経済見通し(SEP)を確認する ↗
発表日時:2026年9月16日 14:00(米東部時間)/9月17日 03:00(日本時間)
主な対象
- 米国債・ドル指数
- S&P 500・NASDAQ
- 大型テック・半導体
- 銀行・保険
- 住宅・不動産・REIT
- ドル円
- 自動車・機械など日本の輸出株
- 小売・航空・電力など輸入企業
日本株・米国株への影響
日本株:米国の追加利上げ観測が強まり米金利とドルが上昇すれば、ドル円には円安圧力がかかり、自動車や機械など輸出企業の円換算利益には追い風となり得ます。一方、小売、航空、電力、食品などは輸入物価の上昇が重荷です。円安が急速に進む場合は、日本当局の為替介入警戒から輸出株と為替が反転する可能性があります。高い米金利は半導体や成長株、不動産・J-REITの評価にも逆風です。
米国株:インフレがエネルギー以外にも広がっているとの見方は、政策金利が高い状態が長引くとの警戒につながります。米国債利回りと株式の割引率が上がれば、大型テック、半導体、住宅、不動産、REITには逆風です。銀行には貸出利ざや改善の余地がある一方、保有債券の評価損と信用コストの上昇が利益を相殺し得ます。景気と生産性の強さが企業利益を支えれば、景気敏感株には下支えとなる可能性があります。
上昇要因になり得る経路
- カシュカリ総裁は、貿易摩擦や地政学リスクがある中でも米経済は強靱で、成長は良好、生産性には改善の兆しがあると述べた
- 景気と生産性が保たれれば、企業利益の成長が金利上昇による評価圧力を一部補う可能性がある
- 高い短期金利は銀行の貸出利ざやや保険会社の新規運用利回りを改善する余地がある
下落要因になり得る経路
- カシュカリ総裁は、食品とエネルギーを除いてもインフレは高すぎ、サービスを含む経済全般に物価圧力があると述べた
- Reutersによると、9月FOMC参加者の大半は年内に少なくともあと1回の0.25ポイント利上げを見込んでいる
- 追加利上げと高金利の長期化は、住宅、不動産、REIT、消費関連、高PERの大型テックや半導体の資金調達コストと割引率を押し上げ得る
読み違えを避ける注意点
- カシュカリ総裁の発言は個人の政策見解であり、次回FOMCでの追加利上げ決定や時期を確定するものではない
- FOMCの経済見通しと金利予測は各参加者の条件付き予測で、政策の約束ではない
- 原油高は供給要因の影響が大きく、FRBの利上げだけで解消できないと総裁自身が説明している
- 銀行への効果は預金金利、イールドカーブ、保有債券、貸倒費用によって異なり、金利上昇が一律の増益を保証しない
- ドル円と日本株は米金利だけでなく、日銀方針、為替介入、原油価格、地政学でも大きく変動する
確認したい用語
本記事は公表資料を読み解くための情報提供であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。