Apple、粗利45〜46%へ。メモリー高が端末利益を圧迫
Appleの2026年7〜9月期売上高は前年同期比12%増の1144.77億ドル、希薄化後EPSは14%増の2.10ドルで過去最高を更新しました。一方、10〜12月期の粗利益率見通しは45〜46%と、7〜9月期の47.9%から低下。AIデータセンター需要を背景とするメモリー価格上昇が、Apple、半導体、電子部品、日本の製造装置株へどう波及するかを整理します。
一次情報
Apple・SEC・Reuters照合の公式発表を確認する ↗
発表日時:2026年11月2日 16:30(米東部時間)/11月3日 06:30(日本時間)
Apple・2026年度第4四半期決算を確認する ↗
発表日時:2026年11月2日(米国時間)/11月3日(日本時間)
Reuters・メモリー高と粗利益率見通しを確認する ↗
発表日時:2026年11月2日(米国時間、決算会見後更新)/11月3日(日本時間)
Reuters・株価と指数への反応を確認する ↗
発表日時:2026年11月3日 06:37(米東部時間)/20:37(日本時間)
主な対象
- Apple
- Micron・メモリーメーカー
- Applied Materials・KLAなど半導体製造装置
- S&P 500・NASDAQ
- スマートフォン・PCメーカー
- 東京エレクトロン・アドバンテスト・SCREEN HD
- 村田製作所・TDK・アルプスアルパインなど電子部品
- ドル円
日本株・米国株への影響
日本株:メモリー価格の上昇と供給確保の動きは、メモリー向け投資が増える局面では東京エレクトロン、SCREEN HDなど製造装置・材料企業の受注期待を支えます。AIサーバー需要の継続はアドバンテストなど高性能半導体関連にも追い風です。一方、スマートフォンやPCの原価上昇、端末メーカーの値上げ・仕様調整は、村田製作所、TDK、アルプスアルパインなど電子部品企業の数量と製品構成に波及します。円安は海外売上の円換算を支えても、輸入部材コストを押し上げるため、各社の価格転嫁と顧客構成を確認する必要があります。
米国株:Appleは売上高とEPSが市場予想を上回り、iPhone 18 Proの強い需要も示しましたが、粗利益率見通し45〜46%とサービス売上高の8〜9%成長見通しが失望材料になりました。Reutersによると株価は11月3日の取引前に約4%下落し、主要株価指数の重荷となりました。メモリー高はMicronなどメモリーメーカーと製造装置企業の販売価格・投資には追い風ですが、Appleを含む端末メーカーには原価上昇要因です。AI投資は半導体需要を押し上げる一方、端末側の部材費とAIサービス運営費を増やす二面性があります。
上昇要因になり得る経路
- 7〜9月期売上高は1144.77億ドルと前年同期比12%増え、Appleの9月期として過去最高となった
- 希薄化後EPSは2.10ドルと前年同期比14%増え、iPhone売上高も9月期の過去最高を更新した
- サービス売上高は315.73億ドルで過去最高となり、端末販売以外の継続収益が拡大した
- 営業キャッシュフローは280億ドルで、株主還元と研究開発を支える資金創出力を維持した
- 強いメモリー需要と供給確保の動きは、メモリーメーカー、半導体製造装置、材料企業の価格・受注を支え得る
下落要因になり得る経路
- 10〜12月期の粗利益率見通しは45〜46%で、7〜9月期の47.9%から低下する見込み
- Appleはメモリー価格が10〜12月期後も上昇すると説明し、安価に確保した在庫の効果が薄れるほど原価圧力が強まる
- サービス売上高の8〜9%成長見通しはReutersが集計した市場予想10.7%を下回った
- Reutersによると中国売上高、iPad、ウェアラブルは市場予想を下回り、製品・地域別の強弱が残った
- メモリー、AIサーバー、Siri関連費用を価格転嫁し過ぎれば、インフレで圧迫される消費者の買い替え需要を弱める恐れがある
読み違えを避ける注意点
- 1144.77億ドルは2026年9月26日までのApple会計年度第4四半期の売上高で、暦年10〜12月期の数字ではない
- 7〜9月期の粗利益率47.9%には関税還付による約1ポイントの押し上げが含まれ、EPS2.10ドルにも0.05ドルの押し上げが含まれる
- 粗利益率45〜46%とサービス8〜9%成長は会社見通しで、確定した実績ではない
- 株価約4%安は11月3日の取引前・初期反応で、その後の終値や将来の業績を保証しない
- メモリー高はメーカーには追い風でも、設備投資、在庫、長期契約、製品構成により利益効果は企業ごとに異なる
- 村田製作所やTDKなどの例示は電子部品セクターの確認対象であり、今回のApple製品への供給関係や受注増を示すものではない
- 米中間選挙、11月6日の米雇用統計、米金利とドル円の変動が大型テックと日本の関連株の反応を変え得る
確認したい用語
本記事は公表資料を読み解くための情報提供であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。